2010年9月23日
三春交流館小ホール
演奏会の簡単なコメントです 冨塚康晴/幻想曲30番(ソル)、14分を超える大曲だが集中力を切らさず好演した。とくに音がしっかりしていること、そして和音のバランスも良かった。課題とすれば不用意なミスが多いこと、全体にリズムのブレが気になった。常盤秀夫/2人の兄弟(メンデス)、立ち上がりは少し音がこもっていたが対話風のメロディーを上手く出していた。ジョンゴ(ベリナティ)は良く弾き込まれ、安定感がり、流れも良く好演。課題とすれば少し真面目すぎ? もっと遊びの要素も欲しい気がした。山岡祐子/プラテロと私よりプラテロ、憂愁(テデスコ)、両曲とも、女性らしい繊細なタッチと細やかな気配りが生きていて、この散文詩の世界を良く表現していた。森湧平/マラゲーニャop.165-3、立ち上がりから歯切れのよいリズム、しっかりしたタッチに支えられたバスのメロディーがよく歌われていて好演。コンポステラ組曲より(モンポウ)、プレリュードは出だしから雨の情景を思い起こすようにppからfまでイメージが出来ていた。カンシオン、でも存在感のあるバスのメロディーが美しく、独特の和声の響きも魅力的。ムニェイラ、は演奏至難な曲だが、早めのテンポでリズミカル、その演奏は確信に満ちていて、全体として高度な技術に支えられた見事な演奏だった。脇坂真弘/詩的ワルツ集(グラナドス)、序奏はさすがに緊張がみられたが、ワルツに入ってからは落ち着きを取り戻し、持ち味の温かい音楽が流れてきた、特にNo.3のワルツは美しかった。高瀬直之/大聖堂(バリオス)、ステージに上がった途端に、彼の世界に引き込まれる、そんな雰囲気を持っている。プレリュードは淡々と流れるアルペジオがこれからのドラマをイメージさせ、アンダンテでは、ダイナミックな表現ながら、深い祈りの情感が伝わってくる。アレグロは静かな出だしが印象的で、そこからから様々な場面を展開させていく。彼のこの作品に対する愛着が表れているようだった。鈴木洋平/チェロ組曲第1番(バッハ)、イ長調での演奏のためかギターというよりチェロの音色に近い気もしたが、ふっくらとしていて芯のある美しい音だ。曲全体を通して音楽を組み立ててゆく姿勢が表れていた。まさに衒いのない知的な表現は、既にスペインもので評価の高い鈴木にとって、さらに新境地を開拓していることを伺わせる演奏だった。全員の合奏で演奏したアイネ・クライネ・ナハトムシーク第1楽章/(モーツァルト)は、さすがに華やかで演奏会を締めくくるのには格好の曲だった。しかし、演奏会はここで終わらず、アンコールとして森湧平が再び登場。コンクール本選課題曲「詩的ワルツ集」を演奏した。先に演奏した脇坂の曲と同じ曲だったが、森の場合は脇坂のような柔らかさはないが、メカニカルでありながら各ワルツのスタイルを上手く表現していた。約2時間30分を超える演奏会となったが、全体としてレベルの高い演奏が多く、一地方のギター演奏会とは言え、存在感のある演奏グループに発展してきていると言えるだろう。
出演者
(Photo by S.Yamaoka)
富塚康晴
常盤秀夫
山岡祐子
森 湧平
コンサート終了後全員で
脇坂真弘
高瀬直之
鈴木洋平
演奏会でのスナップ
演奏前の腹ごしらえ
演奏直前の弦交換余裕ですかね・・・
古河さん遠藤さん手作りのランチ
ホント美味しかったです!!!
神頼みのWクン「何とか良い演奏が出来ますように!」
と祈ったかどうかは知りませんが・・・
一人集中して黙々と練習。近寄り難い雰囲気が・・・
スタッフとして頼りになるUクン、録音の準備に
取りかかっています。ホントにいつもお世話様です。
Yahooフォトアルバムでコンサート
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