第29回「ギタリスタス‘あだたら’」ギター演奏会終了報告

2009年9月6日
三春交流館小ホール

 今年も9月6日、福島県三春町にある「三春交流館小ホール」において「第29回ギタリスタス“あだたら”ギター演奏会」が行われました。以前はここの「まほらホール」で行なって来ましたが今回は小ホールで行ないました。この会場は100名ほどでいっぱいになる広さですが、音響が良くギターに適したホールと言えます。それは今回の出演者の集中力にもつながり、各奏者の好演が目立つ結果となりました。また今回は脇坂、冨塚の2名が10月に行われる「第27回スペインギター音楽コンクール」2次予選に出演が決まっており、その課題曲「スペイン舞曲第5番」を両氏が演奏するという試みもあり、結果として双方の演奏スタイルの違いが際立って興味深く聴くことが出来たと思います。また最後のアンサンブルもアニメ映画からの作品でしたが馴染みのあるメロディーと迫力のある演奏に聴衆も満足した様子が伺え、その熱演に聴衆からも惜しみない拍手が送られました。振り返ってみると、会場の雰囲気も良く全体として大変充実した演奏会となりました。
忙しい中コンサートに来てくれた皆様に心から御礼申し上げます。

演奏者&プログラムはこちら


演奏会の簡単なコメントです
 脇坂真弘/スペイン舞曲第5番(グラナドス)はリズムの乗りも良く、趣味の良い歌心が感じられた。コルドバ(アルベニス)は全体として細かなミスが目立ったが、曲のイメージは伝わってきた。山岡祐子/キューバの子守唄(ブロウエル)はゆったりとしたリズムの中に優しさのある歌が心地良かった。ウルグアイ風(バリオス)では抜群の集中力をみせ細部まで気配りを見せ、各フレーズの表現が生きていた。冨塚康晴/スペイン舞曲第5番(グラナドス)はリズムを重視した演奏で、軽快な流れが印象に残った。ただ、技術的にはまだ課題がありそう。カスティーリャ組曲(トローバ)の「ファアンダンギーリョ」は、少し指任せの感がありテンポのコントロールが出来ていなかった。「アラーダ」は落ち着きのある演奏で美しい歌が聴こえた。「ダンサ」は細部に不満はあるが、中間部の歌などの自然な歌心には感心した。常盤秀夫/2つの舟歌(クレンジャンス)は堅実な技巧で素朴な歌が聴こえてきた。ヴァルス・ショーロ(ヴィラ・ロボス)では情感たっぷりの演奏で、彼が傾倒するヴィラ・ロボスへの思いがにじみ出る好演だった。森勇平/そのあくる日(ゲーラ)は1音1音丁寧な音創りと安定感のあるテクニックで透明感のある美しい音楽を表現していた。波のサンバ(ゲーラ)はミニマル風の現代感覚あふれる作品だが、圧倒的な技巧と研ぎ澄まされた感性により曲の本質を見事に表現していた。最後は全員の合奏で宮崎駿のアニメ映画の中から2曲演奏された。まず、海の見える街(久石譲)は中間部のバロック風の旋律が魅力的で終盤にはパーカッションの効果もあり盛り上がりも見事だった。次のロボット兵(久石譲)は複雑なリズムを伴う曲で、戦闘シーンをイメージした音楽。パーカッション効果やラスゲアード奏法などで迫力のある演奏を披露。演奏会を見事に締めくくった。

出演者 
(Photo by M.Otake)


脇坂真弘


山岡祐子


富塚康晴


常盤秀夫


コンサート終了後全員で


森 湧平

演奏会でのスナップ


コンサートのお手伝いありがとうございました


演奏前の腹ごしらえ ウーンうまそー


美味しかったです!


無事演奏会は終了後全員で、皆さんお疲れ様でした

Yamaokaさんの御好意でニコン・オンライン
アルバムでコンサートの画像を見る事が出来ます

入口

過去の演奏会の記録

2002 年(22回)

2003年(23回)

2004年(24回)

2005年(25回)

2006年(26回)
2007年(27回) 2008年(28回)